離乳食完了期(パクパク期)1歳~1歳半頃

出産から1年。あっという間に1歳の誕生日を迎え、卒乳する赤ちゃんも出てくる時期。離乳食もいよいよ完了期ということで、離乳食卒業も目前!食事のリズムを整え、いろいろな食材や調理法でバランス良い食事を目指しましょう。

ステップアップの目安

□1歳を過ぎた

□1日3食の食事のリズムに慣れた

□前歯で噛みちぎろうとする

前歯が上下4本ずつ生えていて前歯で噛み切るようになり、手づかみ食べにも挑戦するようになるとステップアップする時期といえますが、歯の生える時期には個人差があります。まだ前歯が生えていない場合、中期・後期のような食事にする必要はありませんが噛みちぎるようなものはまだ避けておきましょう。歯ぐきで噛める固さで与えます。

また、大人と同じ食事リズムへと移行する大事な時期です。朝昼晩決まった時間に食事をとることで、お昼寝やお風呂などの時間も自然と定まり、生活習慣のリズムが整っていきます。

固さの目安

固さは歯ぐきで噛みつぶせる固さにします。肉だんごの固さを目安にしてください。

この頃になると、口のまわりの筋肉も発達し自由自在に動かせるようになりますが、奥歯はまだ生えそろわないので、噛む力はまだまだ不十分な状況です。前歯が上下生えてくると、噛みちぎることができるようになります。

赤ちゃんの歯の生え方に合わせながら、「前歯で噛み切る」「歯ぐきで噛める」メニューを取り入れ、咀嚼(そしゃく)力をつけていきましょう。

離乳食完了期(パクパク期)の食材

主食のご飯は、軟飯からごはんに近づけていきます。

パクパク期になるとさらに食べられる食事の幅が広がり、味付けのバリエーションも増えるので色々試しましょう。

手づかみ食べしやすいように、焼き固めたり、スティック状に切ったりと工夫してみましょう。

どのくらいの量をあげたらいいの?

  • 炭水化物:軟飯からごはんへ移行させていく 軟飯90g~ごはん80g
  • ビタミン・ミネラル類:野菜、果物を合わせて40~50g
  • たんぱく質:魚、肉なら15~20g豆腐なら50~55g卵なら全卵1/2~2/3個乳製品なら100g

※たんぱく質は、「すべて」ではなく、「または」なので、食材のどれかを選びます。

『授乳・離乳の支援ガイド(2019年度改訂版)』より

主食のごはんの量は、おかゆ→軟飯→ごはんへと形態が変わるごとに重さも異なっていき、どのくらいあげたら良いか混乱してしまうところです。形態を変えたら一度計量器で測ってみて、だいたいこのくらいという感覚をつけておくことをおすすめします。

グラム(重さ)にこだわりすぎないで!

上記のように重さを掲載していると、「面倒だな」「大変だな」という印象をつけてしまいがちですが、あくまで困ったときの目安にしていただけたらなと思います。あまりグラム(重さ)にこだわりすぎてしまうと、離乳食の悩みが増えます。「グラムって生の状態?茹でた状態?」「食べこぼしてしまったら?」「お野菜を食べないから基準を満たせてない。どうすれば…」「離乳食の準備がおっくう」・・・etc. 赤ちゃんが健康に成長できれば深く考えすぎる必要はありません。

ポイントは成長曲線に沿った成長をしているか

母子手帳にも掲載されてある成長曲線の範囲内で成長していれば、離乳食に関してあまり細かく気にする必要はありません。体重が増えない、貧血と言われたなど、食事面でのアプローチが必要とされた場合に、一度食材や分量を見直していただければと思います。

一番大切なことは、赤ちゃんとパパ・ママが笑顔で過ごせること

大切な子どものために、きちんとやりたい!という気持ちはとても大切なことです。ですが、あまりにこだわりすぎて、一番大切なものをおろそかにしていませんか?離乳食の悩みで、「レパートリーがない」「何グラム食べさせていいかわからない」などが多くみられます。SNSやレシピサイトなどの色とりどりで手間をかけた離乳食を見ていると、そんな食事を毎日作る事が当たり前かのように感じてしまい、離乳食へのハードルが上がってしまっているのではないかと懸念しています。(職業柄、配信する立場としては、目を引く・参考になるレシピを考案しなければなりませんが、本来の目的は、母子ともに健康に過ごしてもらうための手助けをすることです。)バランス良く、適切な量を食べさせてあげていれば、それで良いんです。情報はツールであり道具です。いくら良い情報でも、使い方で自分のバランスを崩してしまったらストレスになってしまうので、”道具”として持っておき、迷ったとき、必要なとき、選択する余裕があるときに、「そういえばこんな道具(情報)があったな」と思い出して使ってみるくらいが良いのかなと思います。

あげ方のコツ

すでに手づかみ食べを始めている赤ちゃんもいるかと思います。まだ始めていない赤ちゃんも、この頃から積極的に手づかみ食べにチャレンジさせていきましょう。

前述にもあるように、手づかみしやすいよう焼き固めたり、スティック状に切ったりと工夫が必要です。まだまだ自分で食べることに慣れていないため、こぼしたり、ぐちゃぐちゃにしてしまったりとママを悩ませることもあるかと思います。袖まである食事用エプロンを使ったり、いすの下に新聞紙をひいたりと対策をしているとストレスが減ります。

また、手づかみ食べと並行してスプーンの練習もしていきます。はじめはなかなか上手く食べられないですが、2歳前後までには上手に使えるようになってきます。

おやつについて

1日3回の食生活がついた1歳頃からおやつをプラスします。おやつといっても、ごほうびのためのお菓子ではなく、第4の食事ととらえます。

この頃の赤ちゃんは、よく動くようになりたくさんのエネルギーを必要とします。しかし、赤ちゃんの胃腸はまだまだ小さく、一度にたくさん食べる事ができないため、3回の食事で足りない栄養をおやつで補う必要が出てくるのです。

1歳頃から1日1~2回のおやつを始めます。与える時間を決め、栄養となるおやつを心掛けましょう。

この頃のおやつの目安は1日50kcal程度。3食の食事に影響が出ない程度にします。おにぎりや蒸しパン、ヨーグルトなどがおすすめです。市販のおやつだと、くちどけが良く、薄味なものを選ぶと安心です。鉄やカルシウムを強化した商品もあるので、上手に活用してみましょう。

1歳~1歳半の献立例

↓パクパク期の娘のごはんです。

手づかみ食べが上手にできるようになるとずいぶん楽になりました。

ちゃんと噛めているか、詰込みすぎてないか確認しながらも、一緒に食事することが可能に。

大人と同じ材料のもので準備できるようにもなりました。

1歳半を過ぎると、離乳食も卒業。離乳食を卒業したら、大人と同じというわけではなく、「幼児食」へとステップアップします。食べ物の大きさや固さは成長に合わせて変化させながら、味付けは薄味にして準備します。