<こどもの窒息事故予防>気を付けるべき食材【管理栄養士コラム】

先日、園児が幼稚園の給食のブドウを喉に詰まらせ死亡する事故が起こりました。

東京・八王子市の幼稚園で4歳の男の子が、給食で出されたぶどうをのどに詰まらせ亡くなっていたことが分かりました。  警視庁によりますと7日午後1時半ごろ、八王子市の幼稚園で、年少クラスの4歳の男の子が、給食で出されたぶどうを食べたところ、苦しそうにしているのを女性教諭が見つけました。男の子は病院に運ばれましたが、その後、死亡しました。  幼稚園などによりますと男の子が食べたぶどうは「ピオーネ」という品種で直径およそ3センチ。給食で出された際に皮はついていましたが、男の子の喉には皮がむかれた状態で詰まっていたということです。  当時、年少のクラスでは、園児25人と女性教諭2人が一緒に給食を食べていたということで、警視庁は、園の関係者から状況などを聞いてます。  日本小児科学会によりますと、7年前にもぶどうを喉に詰まらせ1歳6か月の男の子が亡くなる事故が起きていて、学会は「5歳未満の子供にぶどうやミニトマトなどある程度の硬さがあり滑りやすい果物や野菜を与える際は、4分の1以下に切る必要がある」と注意を呼びかけています。(引用:yahoo!ニュース2020年09月08日17:32)

このような事故を我が子に起こさないために。

育児をしていて、どれだけ気を付けていても1秒たりとも目を離さず見守ることは不可能です。ときにヒヤリとすることがあるかもしれません。その中で絶対に気を付けたい事故の一つが”窒息事故”。離乳食・幼児食をあげる上で、窒息事故から我が子を守るためのポイントをご紹介します。

窒息事故はどのくらい起きている?

消費者庁によると、平成22年から26年の5年間に14歳以下の子どもの窒息死事故が623件発生。そのうち食品が原因の窒息死が17%(103件)を占め、その103件のうち87件が6歳以下の子どもで発生しているとのこと。原因となった食品は、果物・もち・パン・団子・ゼリーなどがあげられています。

(図)

食べ物で窒息死の子103人 2014年までの5年間 消費者庁が注意喚起:朝日新聞デジタル

5年間で約100人の子どもが食べ物を誤飲して窒息死しているということに、私自身とても驚きました。一命を取り留めた事例も含めるとどれだけの窒息事故が起きているのでしょうか。

事故が起きやすい食材は?

喉に詰まりやすく、窒息に気を付けるべき食べ物は、

飴(特に球体のもの)、こんにゃくゼリー、もち、団子、プチトマト、ブドウ、ピーナツ、固い豆(大豆や枝豆)などがあげられます。

プチトマトやブドウは、月齢が早い時期から食べさせられる食材です。はじめのうちは小さく切っていても、そろそろ切らずとも食べられるかなと次第に丸のまま与えてしまっている事が多く、注意が必要です。必ず小さく(1/4以下に)切って与えましょう。リンゴも切り方によっては喉につまるので注意しましょう。

喉に張り付きやすい食材にも注意が必要です。海苔、わかめ、パン、もちなどが考えられます。小さくカットしたり、しっかり噛んで飲み込んでいるか確認しながら与えるようにします。

誤飲しやすいものの目安

身の回りのものやおもちゃなど、飲み込む危険がないかどうかを確認する際は、「誤飲チェッカー」を活用するといいでしょう。誤飲チェッカーとは、円筒型で直径39mm、奥行き51mmからなる子どもの誤飲や窒息を予防するために開発されたものです。子供の口の大きさは3歳児で直径約4cm。これより小さいものは子供の口にすっぽり入り、窒息の原因になる危険があります。チェッカーの中にすべて隠れていなくてもこの円筒に入るものは赤ちゃんの口に入ります。直径4cm未満のものは子供の周りに置かないようにしましょう。

トイレットペーパーの芯の直径がほぼ同じ大きさなので、目安としてみてください。

 

食品の与え方

①食品を小さく切り、食べやすい大きさにして与えましょう。(特に、プチトマトやブドウ、飴などは固さがあり口の中で滑りやすいので詰まらせやすい食材です。)


②一口の量は子供の口に合った無理なく食べられる量にし、飴やタブレットなど喉に詰まりやすい食品を食べさせる場合は大きさに注意しましょう。


③誤って気管支に入りやすいピーナッツなどの硬い豆・ナッツ類は、5歳までは食べさせないようにしましょう。(2021年1月20日消費者庁からのリリースを受け変更:以前は「3歳まで」と記載)


(2021年1月22日追記)

2021年1月20日消費者庁よりリリース

「食品による子どもの窒息・誤嚥事故に注意!ー気管支炎や肺炎を起こすおそれも、硬い豆やナッツ類等は5歳以下の子どもには食べさせないでー」https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_047/assets/caution_047_210120_0001.pdf



④年長の子供が、乳幼児にとって危険な食品を与えないよう注意しましょう。

食事中に気を付けること

遊びながら、歩きながら、寝転んだまま食品を食べさせないようにしましょう。


②急いで飲み込まず、ゆっくりとよく噛み砕いてから飲み込むよう促しましょう。また、食べ物を飲み込んだことを確認し、口の中に残っていないか注意しましょう。


③食事の際は、お茶や水などを飲んで喉を湿らせましょう

④食品を口に入れたまま話したり、何かをしながら食事をしたりさせないようにしましょう。


⑤食事中に眠くなっていないか正しく座っているかに注意しましょう。また、食事中に驚かせないようにしましょう。

子供がものをのどに詰まらせたときの応急処置(政府広報オンラインより)


万が一、食品による窒息が発生した場合は、すぐに応急処置を行ってください。

また、処置中は腹部を押すなど内臓への負担も大きいため、腹部突き上げ法を実施した場合は、その後病院で診察を受けるようにしてください。

(1)背中を叩く(背部叩打法)

片手で乳児の体を支え、手のひらで乳児のあごをしっかり支えながら、もう一方の手のひらのつけ根で乳児の背中をしっかり叩きます。(5、6回を1セット)

(2)胸部を圧迫する(胸部突き上げ法)

乳児をあお向けにし、片手で乳児の体を支えながら手のひらで後頭部をしっかり押さえ、心肺蘇生法と同じやり方で胸部を圧迫します。(5、6回を1セット)

乳児の様子を見ながら、(1)と(2)の対処法を交互に繰り返してください。体位を変えることで、のどに詰まったものが出やすくなる効果があります。

(3)腹部突き上げ法(ハイムリック法) 1歳児以上の場合

背後から両腕を回して、片方の手を握りこぶしにし、子供のみぞおちの下に当てます。もう片方の手をその上に当てて、両手で腹部を上に圧迫します。これを繰り返します。

万一のときに備えて、窒息のときの症状と対処法を覚えておきましょう。

さいごに

子どもの窒息事故が起こらないような環境を作っていくためには、事故が起こりやすい食品子どもの安全な食習慣などについて知り、日常生活の場面で「これは大丈夫かな?」と事故が起こる可能性について想像力を持つとともに、万が一、事故が起こったときの応急処置を身につけておきましょう。

 

 

 

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